自家焙煎珈琲リフォルメ(さいたま市のコーヒー豆専門店)

さいたま市(浦和、東浦和、南浦和の中間辺り)にてコーヒー豆の専門店を営んでいます。

スペシャルティコーヒーの取り扱いについて

reforme2011-07-25

昨今多くのお店で「スペシャルティコーヒー」が扱われる様になりました。当店も例外ではなく商品の大半がそうであると言っても差支えないでしょう。その定義は各国に委ねられ、厳密な統一した定義はまだ無い様です。
日本では、簡単に言えば「1」消費者のカップ内の液体の風味が素晴しい事。その風味とは、際立つ印象的な特性があり爽やかな明るい酸を持ち、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていく事。「2」コーヒーの種子からカップまでの総べての段階において体制・工程・品質管理が徹底していることとされています。特に、生産履歴が明確であること。香味評価(カップテスト)を受けること。の2点は世界共通です。こういった取り組みは大変喜ばしい事で、生産者も国際相場に左右されず高値で取引できますし、珈琲の水準も底上げされ、結果として消費者に美味しい珈琲が提供される事になるのですから。但しいくつかの課題が有ります。現状では、そもそもスペシャルティコーヒー自体に確たる定義がなく、定義してしまうと売れる範囲が限定され商売上良くない為、あえて曖昧のままにしてみな暗黙のうちに了解している状況なのです。ブルーマウンテンやハワイコナなどはとりわけ付加価値の高い素晴しい香味を持ちますが、カップテストされない為別のカテゴリーに入る事や、プレミアムクラスの珈琲との明確な違いが無くともスペシャルティコーヒーとして販売できてしまっている事、さらに中煎り程度のみでカップテストされる為に、それに合わせた味作りが中心となり生産者も評価受けする味わいに偏ってしまっている事などのマイナス要因も考慮しなくてはいけません。また、珈琲豆は、焙煎というもっとも味に影響する工程がありますが、素材のみが注目され案外焙煎の重要性が取り上げられない様に思います。素材が優れていても、焙煎が稚拙で偏った味わいばかりでは逆に珈琲の楽しみを狭めてしまう可能性も有ります。中深煎り以降の焙煎度合いは、日本には多くのファンがいますし、プレミアムクラスの豆もきちんとハンドピックし芯まで適正焙煎すればとても美味しい珈琲なのです。スペシャルティコーヒー以外は珈琲ではないという風潮には反対です。スペシャルなものはより大切に扱っていきたいものです。特別なのですから・・。
参考文献「田口 護のスペシャルティコーヒー大全」