香りの強い珈琲を下さい

先日お客様に「香りが強いものが欲しい」と尋ねられました。久しぶりに返答に困りました。そこでまずお客様の真意を探ろうと、好きなタイプの浅煎りをお出ししましたが物足りない様子でした。次にお出しした深煎りのケニアは、結局やや苦いとの印象で中深煎りがお客様のお好みに近い事が判明しました。
いつもはスーパーなどの流通品をお求めにあるそうでした。

さて香りですが、まず焙煎後の鮮度がもっとも強さに影響すると思われます。珈琲の香気成分は300以上などと言われますが、その総量が、焙煎後経時変化により次第に弱まり変質していく訳ですから焙煎後比較的間もないものが強い香りがします。さらにミルをお持ちでない様なので、挽きたてであることによる香気成分の強さもかなりあるでしょう。

また、香りに対してはかなり個人差が有る様で、その個人が感じる成分に敏感になるのかもしれません。
例えば、土の香りに例えられる事が有る、マンデリンの様な匂いなどに対して強く感じるかもしれません。
さらに焙煎時間が長くなることで(深煎りになることで)様々な香気成分が形成させ、炭酸ガスがより多く発生することで、我々の臭覚が強さを感じるのでしょう。

香りについては、コーヒーにとっては切っても切り離せないとても大切なものですが、未知な部分も多い為なかなか科学的に説明できない分野で有る様です。
もしかしたら珈琲は、口と鼻からの香りを楽しんでいて、味わいは補足程度であるのかも?しれませんね。